あの空の向こうへ... - 物語

 7年前――新世紀初頭。
 化学兵器テロを発端とする、3度目の世界を2分する大戦が人類を襲った。

 大量破壊兵器が惜しげも無く投入された第3次世界大戦は、人口の5分の1を殺し種の3割を絶滅させ陸と海の17%を地獄に変えて、人類が滅ぶまで続くかと思われた矢先、突如として終戦を迎える。

 同年11月、太平洋上に僅か一夜にして出現したそれを人は『世界樹』と呼んだ。
 オーストラリア大陸を呑み込んで成層圏にまで枝を伸ばしたその『樹』は根を、幹を、枝を広げ、七夜にして太平洋を埋め尽くす森となった。
 枝葉は全ての雲を飲み込んで地上に覆い被さり、陽を遮り雨を吸い上げ風を凪ぎ――空の全てを埋め尽くした。





 この大災害以来、世界には新種の奇病が蔓延している。
 感染力は極めて低いにも関わらず、あらゆる手段を講じようと感染した人間を死に至らしめる病。
 唯一の例外は、生殖能力を持った若い女性のみ。
 彼女達は感染しても生存することが出来た……人とは別の姿で。

 背中に広がる純白の羽。
 神話の中の御使いの形を模しながら人を襲い食らうその化物を、人々は『天使形』と名付けた。



 ――そうして、人類は選択する。
 自らの存在を勝ち取るために、罪の無い『彼女達』を駆逐する道を。
 漆黒の鎧を身に纏い、『天使形』と戦うことを強制された者達は、『双頭の黒い蛇』と呼ばれた。
 二つの顎門で。二つの羽を食い千切るため。
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